二宮 |
まあ、ピッチャーの話はね、川口さんはいっぱいしたいんでしょうけど、ちょっと野手に目を移して。今年ね、田辺さん。嶋がね、大ブレークしたじゃないですか。十年目でね。私も嶋は東京から見てますよ、江夏二世って呼ばれてバッティングが良かった。 |
川口 |
34つけて入りました。 |
二宮 |
そうですね、川口さんの後でね。ドラフト二位だもん。それでね、いい選手だとは思ったけど、まさかここまで僕は思わなかった。今年ね、セリーグのリーグ記録まであと三本ですよ。ここまでブレイクした。考えてみたら、なぜ昨年は使わなかったんだと。 |
田辺 |
素朴な疑問で、皆さんも思ってますからね。 |
二宮 |
これは何ですか? |
田辺 |
これは怖くて僕もよう言えんのですが。(会場笑) |
二宮 |
怖くない程度で。 |
田辺 |
僕もこの前記した本にはちょっと書いたんですけども、本当はもう一シーズン前から準備はできてたはずですね、本人は。いろんな方がそうおっしゃってました。評論家の方も衣笠さんとか、いろんな方がですね。ただチャンスがなかったっていうのが確かにあります。だけども今回のチャンスを逃さなかったのも偉いという事実もありますよね。 |
二宮 |
僕、ある選手に聞いたら、嶋選手、去年はもっと調子良かったって言ってましたよ。(会場笑) |
田辺 |
二軍で軽く三割三分以上打ってましたからね。ですから結局はそういう時に上にあげるというちゃんとしたパイプがなかったと、結論から言うと。上の方は「嶋なんかいいよ」と。はっきり言うと。そういう目で見てるからなんぼいいって言ったっていいよっていうことになっちゃいますよね。色々理由もあるんですけどね、他にもね。 |
二宮 |
川口さん、パイプっていったってやっぱり実力の世界じゃないんですか?パイプなんですか? |
川口 |
そうですね。チームっていうのは、いかに一軍と二軍のパイプをツーツーにしてるかっていうことじゃないですか。さっきも言いましたけど中日の選手、何人登録されました?五十何人?そうでしょう。やっぱり上と下がツーツーであるからこそそれだけの選手を使って。 |
二宮 |
いきなりキャンプで初日から紅白戦をやってね。 |
川口 |
で、ツーツーにしてるっていうことは、今年優勝したってことは、これフロックだと思うんです。たまたまだと思うんです。じゃなくて将来のことを考えて、二軍の選手も一軍の水を慣れさすっていうことを今やっておけば将来中日っていうのは強くなるよっていうことをね。落合博満っていうのはそこまで考えてる人間だと僕は思うんですよ。 |
二宮 |
それは最初にもう結果が出ちゃったっていう。 |
川口 |
だから来年はすごく勝負の年ですよ。あれだけスタッフをね、中日のコーチを辞めさせてね、広島のOBだとかね。 |
二宮 |
原コーチもとったんでしょう? |
川口 |
原伸二は中日の二軍のコーチです。 |
二宮 |
原伸二はやっぱり嶋を育てたってことで抜擢されたんですか。 |
田辺 |
RCCで解説してたらその解説が素晴らしいってことだったらしいですよ、CBCに流れちゃって。(会場笑) |
川口 |
実はね、原伸二はどれだけ能力が高いかっていうと、調子悪い選手を二軍にいって原伸二でやって一軍に上がってくると必ず活躍するって言われてたんですよ。 |
二宮 |
なんでカープはそれ、保存しないんですか。 |
川口 |
そんなん知りませんよ、私は。(会場笑)だからその辺の人材っていうものを、カープの人材ってすごいんですよ。それを認めてほしいっていうところがある。 |
二宮 |
球団でコーチやってってのはカープOB多いですよね。上田さん、その辺はどう思いますか。その嶋みたいな選手が飼い殺しされてとは言わないけれどね。 |
上田 |
いや、結局はね、今の話だと思うんですよ。つまりね、何をもってこいつは能力があると判断するかっていうことじゃないですか。で、今川口さんの話ですごいのはね、落合さんはマグレで、今年はラッキーだったんですよね?で、やったことは今年のためにやったんじゃないんですよね?将来のために無茶をしたのが、いきなりラッキーにも今年花開いたんだと。で、中日が大変なのは、今年のことをおいといてこの路線を続けられるかどうか。これが重要なの。 |
川口 |
そういうことです。 |
上田 |
同じことで、カープが一番大切なのはどいつが本当に一軍で能力を発揮できるかっていうね。だからほら、英智を守備がうまいからって使い続けるという眼力が誰にあるかってことだと思うんですよ。 |
川口 |
そうです。人を見る目ですよね。 |
上田 |
人を見る目です。でね、その人を見る目がね、あるんですかね、今の…。(会場笑) |
二宮 |
上田さん、先言ってよ、それ。 |
上田 |
俺、ないと思うよ。つまりね、僕はね、「浩二」「浩二」って言って育った人間ですからね、浩二は大好きですよ。 |
二宮 |
興津じゃなかったの? |
上田 |
あっ、一番最初は興津です。 |
二宮 |
興津知らないよ、今の若い人。 |
上田 |
あの、背番号10をつけててね、サードを守ってね、くの字に構えてね、凡退するんですよ。(会場笑)その興津がね、好きで好きでしょうがなかったんです。 |
二宮 |
高円寺に住んでるんだよね。近くなんだけどさ。 |
上田 |
本当?今度会いたい。でね、セカンドに古葉がいてね、これがチョロチョロチョロチョロね、ディレートスチールか何かしやがってね、やたらにうまいんですよ。でね、そういうチームだったんですよ、僕が見に行ってた頃はね。それはおいといて、何の話だっけ? |
二宮 |
ま、ビールでも飲んで。 |
上田 |
ちょっと待ってよ、何だっけ?(会場笑)興津じゃなくて。 |
客席 |
人を見る目。 |
上田 |
そう!人を見る目。 |
二宮 |
優秀な人がいますねー。カープファン、優秀だから。 |
上田 |
人を見る目。そうだ、山本浩二だ!山本浩二さんは、だけど僕らの子供の時ってね、皆さんどうだったか知らないけど、公園で広島で野球する時に、返球する時に「浩二」って言いませんでした?僕はね、センターから「わりゃあ」つって返球する時に「お、浩二」つって言いましたよ、僕らは。やっぱりね、肩が強い山本浩二はかっこよかった。 |
二宮 |
だって山本浩二さん入ってきた時は、肩だけでバッティングは期待されてなかったんだから。だから山本浩二かデュプリーかっていうさ。デュプリーなんか肩だけだからさ。 |
上田 |
そういう選手だったの。でもね、あのセンターからの返球はね、忘れられないですよ、一回見たら。浩二の若い時の。それぐらい僕は浩二が好きでした。 |
二宮 |
日本のデーブ・パーカーって言われたんだから。 |
上田 |
好きでした。けど、けどね、俺、選手見る目ないと思うんだよ。そこはどうですかね。 |
二宮 |
川口さん。栗原がね、育ってきたじゃない。その時に、いきなり野村に代えられたでしょう。まあ、野村も好きですよ。頑張ってもらいたい。でもね、「なんで?」って言ったらある人がね、「やっぱり野村は2000本がかかってるから」って言ってたんだけども、それは分かるけれどもやっぱり伸び盛りの選手を急に下げるていうのは何かね、理由が必要でしょうね。なにかボーンヘッドをしたこともあったでしょう。 |
田辺 |
監督の判断は、今年は何回は落ちたんですけど、守備に気迫が足りんと。精神的なところで落としたことが二回あったんですよ。たしかに突っ込まずに弾いたでしょう。ただ、今おっしゃったことをもっと簡単に、時間を短くして言うと、キャンプでは栗原と嶋を強化選手みたいにしてオープン戦、規定打席に達したのは確か栗原と嶋だけだったんですよ。ですからこの二人は使っていくぞと。嶋の方は幸い良かったんですけど、栗原は途中でやめちゃったというのはやっぱりその方針がね。ファンもだから失望したんですよ。「なんで栗原を代える?」っていうファンがですね、十人のうち七人いましたね。だいたいそういうメールが来ますから。 |
二宮 |
ちょっと皆さんに聞きましょうか。やっぱり栗原をね、そのまま目を瞑っても使い続けるべきだっていう人と、やっぱり野村をね、ベテランも大切にすべきだという。ちょっとじゃあ、前者の人、手を挙げてください。…で、じゃあ二番目、後者のほうの方、手を挙げてください。(だいたい8:2ぐらい) |
客席 |
新井はないんですか?(会場笑) |
二宮 |
新井はサードは無理でしょう。(会場笑) |
田辺 |
新井は来シーズンはさらに厳しいでしょう。ファーストは野村とか浅井とかと戦うわけですからね。一応サードの練習はキャンプではしてましたけどね。 |
二宮 |
川口さん。その辺のね、新井とか栗原とかね、期待されながらまだちょっと殻を破れない、そんな選手はどうですか? |
川口 |
やー、廣瀬とかね。 |
二宮 |
廣瀬ね。ドラフト一位でしょう?(注・二位)ドラフト一位でなんで二軍にいるんですか? |
川口 |
ただね、僕一つ例題として言いたいんですけど、福留という選手がいる。また中日の話になりますけど。彼が、非常に守備下手なんですよ。異様に下手でしょう。だけど、今うまいじゃないですか。守備がうまくなったら、いきなり打つようになっちゃったんですよ。これはね、守りから攻めっていうのはね、言えることであって、グラブ捌き・スローイング、捕ってからのリズムが良くなっていくとバッティングに続いてくるんですよ。今日野球教室で子供に言ってるんですけど、「お前ら、自分のリズム持ってるか?」って言ったらほとんどないわけですよね。 |
二宮 |
自分のリズムね。 |
川口 |
そうなんですよ。結局、何がマイナスにしてるか分かります?グラウンドなんですよ。あのグラウンド。リズムにのれないです。なぜシーツがあれだけエラーをして、サードでエラーが多くて、セカンドでエラーが多いか。やっぱりグラウンドの質。じゃあなんで甲子園は、なぜあれだけのプレーができるのか。そういうところからも僕が変えていかなきゃいけないと思うんです。 |
二宮 |
ということは、やっぱりハード面から変えなきゃいけないっていうことね。 |
川口 |
そういうことです。いいプレーは絶対生まれません。 |
二宮 |
どんなに練習しても、あのグラウンドじゃだめだと。 |
川口 |
僕はカープを悪く言うわけじゃないけど、グラウンドっていうのは聖なる場所なんで、常に同じコンディションでやってほしいんですよ。じゃあ、明日雨が降るからシートかけるよ、ってシートかけるじゃないですか。かけた次の日ってカチカチになってエラーするんですよ。 |
二宮 |
そういうことなんですか。グラウンドのコンディションが日によって違うんですね。 |
川口 |
日によって違うんです。つまり営業主体だからこそグラウンドに水は置きたくない。だからシートをかける。グラウンドが固くなる。息をしない、グラウンドがね。で、イレギュラーが多くなる。固い場所と柔らかい場所がある。で、みんなこうトラクターでかけてるじゃないですか。これだって、ちゃんとかけてるかっていったらかけてないですよ。一見綺麗に見えているようで、固い場所、柔らかい場所、めちゃめちゃ固い場所って全部あるんです。だから来るボールに対して、シーツだってあのグラブ捌きうまいのになんでエラーするかっていったら、そのあたりの対処が全てできてないから。 |
二宮 |
ハード面から変えなきゃだめ?僕もシーツはうまいと思っててね、阪神に行くでしょう?僕は最近ね、金本もね、シーツもみんな阪神に行くからね、非常に複雑な気持ちなんですけどもね、岡田監督はね、「シーツは守備が悪くなっとる。エラーが増えとる」。やはり見てないですね。ちゃんとね。ということは、やっぱりシーツを使わない。鳥谷を使ってくれたらカープはありがたいですよね。(会場笑)はっきり言って。 |
川口 |
だからね、お金をかけるっていうことは、まずグラウンドの土からかけてほしいんですよ。そうすると若手がどんどん育つのは間違いないです。変な話、内野が芝にしたっていいじゃないですか、アメリカ的なね。そういうところからね、球場ができなかったらそういうところを変えてほしいなと僕は思うんですよ。 |
二宮 |
大分一部の時間も少なくなりましたが、最後に一部の終了としてですね、田辺さんから順番にですね、来シーズン期待している若手を一人、ちょっとあげてもらえませんかね。 |
田辺 |
ずばり言うとやはり大竹でしょうね。大竹。ずばり言ってすいません、川口さん。さっきちょっとリードの問題ありましたけど、大竹が目一杯投げた148キロぐらいのストレートをですね、やっぱり石原が外に構えてるんで、古田が踏み込んでカチーンってライト、ふらふらっとホームラン打たれたりするんですよ。まさに今の典型なんですよ。だからもう顔面、こうね、しゅっというのも含めて投げればですね、大竹はもっと伸びると思いますし、皆さん大竹色々テレビで見てお気づきになったと思うんですけど、どんどん成長していく年代なんで、どんどん大人になってるっていう感じがしますよね。言ってる事もしっかりしてますし、この前なんかファン感謝デーで「ファンの皆さんとともにやっていきましょう」って呼びかけるようなこともしてましたから、かなりこう自立してですね、人間としても大きくなっていってますんで。そしてあの150キロの右腕ですから、彼がローテーションのそろそろ軸にですね、なればちょっと河内もびっくりしてですね、やってくれると。(会場笑) |
二宮 |
大竹はハートも強いそうですね。先輩に対してもズケズケ言うって聞きましたけど。 |
田辺 |
そうですね。女の子には弱いですけど。(会場笑)カラオケで女の子呼んだら「えっ、女の子呼ぶんですか?」って言ってましたから。マウンド上では変わって強い。 |
二宮 |
なるほど頼もしいですね。上田さん、どうですか? |
上田 |
えー、金城宰之左と言いたいところなんですが。(会場笑) |
二宮 |
金城は川口さんに預けたい。 |
上田 |
預けたい。そうですね。 |
二宮 |
金城って知ってるでしょう、沖縄の中部商業の。ドラフト五位でしたっけ?下の方。 |
上田 |
五位だか六位だか下の方でしたね。 |
二宮 |
あれね、球は速いんですよ。左で186、7はある。ただね、僕がね、一番似てるピッチャー知ってる。 |
川口 |
誰? |
二宮 |
僕らの同級生。盈進高校の。 |
川口 |
田辺? |
二宮 |
そうそう。クロスしすぎ、球が。これは川口さんに預けたいんだけど。 |
川口 |
いやいや、全部直してあげます。自信あります。 |
二宮 |
第二の田辺。投げ方ね。 |
上田 |
下手したらね、化けると川口和久かもしれないじゃないですか。 |
二宮 |
化けないと田辺で終わっちゃうよ。(会場笑) |
上田 |
どっちかよ、どっちか。 |
二宮 |
川口さん、どうですか? |
川口 |
そうですね、僕はキーポイントは瀬戸だと思います。 |
二宮 |
瀬戸!?また意外なことを。瀬戸ってコーチになったんですよね? |
川口 |
そうです。一軍のコーチでしょう? |
田辺 |
そうです。張り切ってましたよ。俺が変えるって言ってました、バッテリーとか暗いのを。 |
川口 |
あいつのね、わけの分からないリードがね、カープを変えると思いますよ。(会場笑)僕はね、彼に台頭してきてほしいんですよ。彼のリードはね、いまだに僕はマウンドの上で分からなかった。(会場笑) |
二宮 |
それってどういうこと? |
川口 |
「お前、何考えてんだ?」って言ったら、「いや、あのー、僕はいいようにリードしてるんですけど」って。ピッチャーっていうのは自分の軸となるボールってのがある。例えば僕だったらストレートとカーブ、スクリューボールじゃないですか。で、スライダーってのは、ある程度見せ球だったんですよ。それをいきなり初球の球に持ってくるようなやつなんですよ。「いやー、すごいな」って思って。でもね、瀬戸っていうキャッチャーのコーチが、その石原というね、保守的なキャッチャーの考え方を変えてくれると僕は思うんですよ。そうすれば、リードが変わってくるんですよ、また。そしたら河内も、スライダーばっかり投げるんじゃなくて。(会場笑)困ったらスライダーでしょう、やつは。ね?それに自信があるかっていったらないわけですよ。怖そうにスライダー投げてる。だからカーンとか打たれるんじゃないですか。あれを自信を持って。化かし合いじゃないですか。いかに化かすかだから。瀬戸のような選手がね、コーチがね、どんどん助言をしていくと。 |
二宮 |
そういう風な固定観念を壊すと。作らなくていいから壊せと。なるほどね。僕はね、今のね、河内期待してるんですよ。河内はね、絶対15勝できると思う。一つだけ条件をつけると、スライダー投げない。投げない、もう決めたほうがいい。あれ、ストレートの方がいいじゃないですか。 |
川口 |
だからスライダーが投げれて、なんでカーブが投げれないんだっていうのが僕の疑問なんです。だってスライダーっていうのは、こうやって、これがスライダーだとしたらカーブはこうなんですよ。スライダーっていうのは肘をここまで出して、こっから振るのがスライダーでしょう?あいつが15勝するためには、カーブを覚えれば僕は15勝すると思う。間違いないです。 |
二宮 |
素材は凄いでしょう。 |
川口 |
で、あいつと一緒に飲みに行ったんですよ、一回。川端と一緒にね。カープのことに関して。 |
二宮 |
またね、歌がうまいんですよ、川端。(会場笑) |
川口 |
いや、その日は歌を歌わなかった。 |
二宮 |
珍しいね。 |
川口 |
で、カープがこれからね、ピッチャー陣をどう立て直していくかって言うと、あいつも悩んでたんですよ。で、ベンチには当然北別府さんもいる。ブルペンに川端はいるじゃないですか。例えば北別府コーチから「これ行くよ」って言ったら、川端が「いや、このピッチャーの方が調子がいいから行かせたいんですけど」と。「いや、これで行くよ」って。こういう意思の疎通が空いてた。なぜ、じゃあブルペンにピッチャーのコーチがいるのよって。その投手を今日見て、「ここで使いたい」っていうのは助言しながらも、やはりそこで色々試行錯誤しながら、ベンチもこの選手を使いたいんだけど、でもブルペンでは今日はこいつが調子いいからっていったところでは、やはりそういうところでの意思をちゃんとやるために、そういう持って行き方をちゃんとすれば。 |
二宮 |
今度、安仁屋さんに代わったじゃないですか。 |
川口 |
いや、僕は最高だと思います。 |
二宮 |
ねえ!安仁屋さん、いいよねえ。 |
川口 |
八っちゃんはもう… |
二宮 |
八っちゃん。(会場笑)なんか、もう凄い。安仁屋さんは。人生捨ててるもん。(会場笑) |
川口 |
安仁屋さんは、僕はどちらかというとコースをうまく使うんですよ、インコースを。現役時代はシュートで生きた人だから。 |
二宮 |
あれは安仁屋のシュートだもんね。外木場のカーブは安仁屋のシュートだもんね。 |
川口 |
で、僕は安仁屋さんにだけ言われたのは、「川口、困ったらインコースだぞ」と。じゃあ石原に代わる。多分石原は殴られる。(会場笑)殴られるか、朝まで飲みに付き合わされるか。(会場笑)次の日、試合に出れないかどっちか。 |
二宮 |
はっきり言って、殴られた方が楽でしょう?安仁屋さんに酒で勝てる人いないでしょう?すごいです、安仁屋さんは。沖縄だから。泡盛三本ぐらい平気でいくでしょう。 |
川口 |
キャンプでね、僕らピッチングしてたんですよ。で、調子悪いから、後ろが安仁屋さん、サングラスしてこうやって木にすがりながら見てるんですよ。「安仁屋さん、どうですか?」って言ったら、声がないんですよ。おかしいな、って思って見たら、木にすがってカーッって寝てる。(会場笑)朝まで飲んでたんだ、その日。そういうところが安仁屋さんの好きなところで。殴るか、酒飲みに連れて行って酔わして。二日酔いだから野球ができないっていうのは、カープにとってはだめなんです。 |
二宮 |
いや、それ安仁屋さんが言ってた。「酒飲んで倒れるやつはピッチャーじゃない」って。(会場笑)すごいなーって思って。 |
川口 |
僕はね、北別府さんが肩痛めた時に朝六時まで飲んでたんですよ。で、次の日、安仁屋さんが「今日、ペーが肩痛いから、川口投げてくれ」って。俺、正直言った。「安仁屋さん、悪いっすけど今日僕、さっきまで飲んでたんです」って言ったら、「いや、それでもいいから投げろ」と。「お前に責任を負わせるわけにはいかないけど、でもとりあえず投げてくれ」と。八回まで投げて勝ち投手になりましたよ。(会場笑) |
二宮 |
要するに酒はガソリンなんだよね。 |
川口 |
ガソリンなんですよ。(会場笑)カープがね、やっぱりそういう伝統があるからね。(会場笑) |
二宮 |
なんかだんだんすごい話になってきましたよ。 |
川口 |
だからね、今の若いやつはみんな部屋でテレビゲームして指曲げてるわけじゃないですか。(会場笑)押さえ過ぎて指曲がっちゃうわけですよ。そういうやつらばっかりなんですよね。 |
二宮 |
酒飲んだら握力も強くなるでしょう、ギュッとね。ボトルかなんかね、グッと。(会場笑) |
川口 |
これ(ビール缶)がバーベル代わりだと思って。(会場笑)いや、そういう時代だったんです。十三連敗した時に、安仁屋さんが部屋に来て、「お前、なんで部屋におるんじゃー、出て行けー」って言われましたよ、本当に。 |
二宮 |
飲め、と。飲みに出て行け、と。 |
川口 |
部屋になんかいるな、と。とにかく出て行って憂さを晴らせ、と。 |
二宮 |
川口さん。ということは、カープ、その時代に戻るんだ、来年。 |
川口 |
戻してほしいですね。非常に楽しみですね。 |
二宮 |
楽しみですね、皆さん。 |
川口 |
キーポイントは安仁屋宗八と瀬戸です。(会場笑) |
二宮 |
だんだんすごい話になってきてますね。私はね、もう一人ね、ドラフト八巡目で入ったJFEのピッチャーいるじゃないですか。 |
田辺 |
田中ですね。 |
二宮 |
田中。あれはいいね。でもね、あれね、いいからね、多分来年抑えかなんかで使われて一年目で潰れるんじゃない?(会場笑) |
田辺 |
抑えはね、ちょっとね。ここでの話、抑えは黒田を含めて全てを今、検討してますからね。 |
二宮 |
多分田中になると思いますよ。コントロールいいし、もう、あれ即戦力でしょう。 |
田辺 |
優等生ですから。なんでも入ってやるそうですから。あと、酒も飲むから安仁屋さんに使わされる。(会場笑) |
二宮 |
てなわけでございまして、第一部はこれで終了させて頂きまして、そして樽募金というのをですね、させて頂きたいと思いますので。皆さん、これはですね、お気持ちだけで結構でございますから。強制するもんじゃございませんから。新球場のですね、建設費になるということで、そのまま中国新聞に今日はお渡しするということでございます。そして第二部葉はですね、樽募金が終わってまたお話始めたいと思います。しばし皆さんご歓談ください。 |